
皇宮護衛官の採用試験に合格することは難しいですか?初めて受験勉強をするので、どんな試験なのか傾向や対策方法を教えてほしいです。
本記事は皇宮護衛官採用試験について情報をまとめています。
結論からいうと、皇宮護衛官の難度は高いです!
国家公務員の平均合格率は30%~35%ですが、皇宮護衛官の合格率は5%~8%なんですよね。
なので、本腰を入れて対策することが重要。
この記事を読んで合格に必要な情報を理解して対策していきましょう!
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皇宮護衛官採用試験とは
皇宮護衛官採用試験とは、様々な試験を課したうえで「皇宮護衛官として適した人材を選抜する試験」です。
皇宮護衛官は、簡単にいうと天皇陛下をお守りする警察官のことで、身分は国家公務員にあたります。
仕事内容は主に、天皇皇后両陛下はじめ皇室の護衛や皇居の警備に従事。
皇宮護衛官採用試験を受験するには、次の受験資格を満たしておく必要があるので確認してみましょう。
皇宮護衛官採用試験の受験資格
皇宮護衛官になるには、次の受験資格を満たす必要があります。
- 学歴
- 年齢制限
- 欠格事由
順番に見ていきましょう。
学歴
学歴は関係ありません。
大卒でも、高卒でも、年齢制限を満たし、欠格事由に該当しなければOKです。
年齢制限
29歳~20歳が受験することができます。
1991年4月2日から2000年4月1日までに生まれた人。
欠格事由
- 日本国籍を有しない者
- 国家公務員法38条に該当する者
- 民法規定による準禁治産の宣告を受けている者
これらに該当する人は受験することができません。

ちなみに大学卒業程度とは学歴を意味するものではなく、試験レベルを指していますよ。
皇宮護衛官採用試験の合格率(倍率)
皇宮護衛官の平均合格率(過去10年間)は5.7%です。
詳細は次のとおり。
年度 | 合格率 | 受験者 | 合格者 |
---|---|---|---|
2021 | 10.2% | 548 | 56 |
2020 | 10.4% | 472 | 49 |
2019 | 5.7% | 633 | 36 |
2018 | 8.5% | 844 | 72 |
2017 | 4.1% | 1,028 | 42 |
2016 | 4.9% | 983 | 48 |
2015 | 5.6% | 930 | 52 |
2014 | 3.6% | 1,214 | 44 |
2013 | 7.4% | 1,074 | 79 |
2012 | 3.1% | 1,302 | 41 |
・刑務官:26.4%
・入国警備官: 29.2%
・航空管制官 :22.6%
このように他の試験と比較しても合格率が低いので難しいです。
なお、一次試験や二次試験ごとの倍率を知りたい場合は下記記事でまとめています。
関連記事:【大卒・高卒別】皇宮護衛官採用試験の倍率は高い?過去の実施結果を紹介
スケジュール管理を徹底して対策していきましょう。
皇宮護衛官採用試験の選考スケジュール(日程)
皇宮護衛官採用試験は、おおよそ下記のようなスケジュールで選考が行われています。
3月下旬~4月上旬
申込方法はインターネットを使って行います。
6月上旬。
試験地は「札幌市、多賀城市、東京都、大阪市、広島市、福岡市」から選べます。
7月上旬
インターネットに合格番号が掲示されます。また、郵送で二次試験の案内が届きますよ。
7月中旬~下旬
試験地は「札幌市、仙台市、東京都、京都市、福岡市」から選べます。
8月中旬~下旬
最終合格すると採用候補者名簿に記載され、辞退者数などを考慮して採用決定となります。

そのため最終合格しても採用されないことも・・・。
皇宮護衛官の採用人数
ここでは皇宮護衛官の採用人数についてまとめています。
過去5年間の採用予定人数は次のとおり。
年度 | 採用予定数 |
---|---|
2021 | 20 |
2020 | 20 |
2019 | 20 |
2018 | 40 |
2017 | 20 |
このように採用人数はとても少ないです。

同じ国家公務員でも海上保安官や刑務官は300人以上の採用数ですからね。
皇宮護衛官の採用漏れって?
採用漏れとは、最終合格したけど採用されない(働けない)ことを意味します。
最終合格者は辞退者などを見込んで出すため、採用予定数より多いです(約3倍)。
採用者はこの辞退者などを踏まえて決定するため、辞退者が少ないと採用されないんですね(採用漏れ)。
採用漏れを回避する方法は一つで、採用予定数よりも高い順番で合格することが重要です。
はやめに傾向を理解して対策をはじめましょう!
皇宮護衛官採用試験の試験内容
皇宮護衛官採用試験では、様々な試験が実施されます。
- 基礎能力試験(教養試験)
- 論文試験
- 人物試験
- 体力検査
- 身体測定
皇宮護衛官になるうえで、体力があることはもちろんですが、最低限の学力や判断力、責任感などの資質・適性も同時に評価されています。
傾向を解説していきます。
基礎能力試験
基礎能力試験とは、計算力や読解力を測る「一般知能」と今までの学力を測る「一般知識」で構成される筆記試験です。
- 試験時間:140分
- 問題数:40問
- 出題形式:択一式(マークシート)
一般知能・一般知識の出題割合は3:1であるため、まずは一般知能から勉強をはじめましょう。
詳しい勉強方法は下記記事で紹介しています。
関連記事:【攻略法】皇宮護衛官採用の試験科目は何から勉強する?出題範囲を紹介
課題論文試験
課題論文試験とは、テーマに沿って自分の考えを文章にして論じる筆記試験です。
- 試験時間:180分
- 問題数:2題
- 文字数:1,500字程度 / 1題
時事的なテーマと皇宮護衛官に関するテーマがそれぞれ出題されるため、普段からニュースを見たり、仕事内容を研究したり準備しておきましょう。
過去問や対策方法は下記記事でまとめています。
関連記事:【過去問あり】皇宮護衛官採用試験の課題論文とは?文字数や書き方を解説!
人物試験
人物試験とは、自己PRや志望動機などを答えさえることで受験者の人間性や情熱、仕事への熱意などを評価する試験です。
内容は個人面接。
- 試験時間:30分
- 面接官:3人
- 面接カード:あり
評価はA~Eの5段階で、D,E評価がつくと不合格です。
まずは今までの経験や出来事から自分の強み、皇宮護衛官になりたい理由を考えていきましょう。
過去の質問などは下記記事を参考にしてください。
関連記事:【面接が苦手で落ちる人向け】皇宮護衛官採用で聞かれた質問内容まとめ
体力検査
体力検査とは、皇宮護衛官として働ける筋持久力について検査する試験です。
体力検査の項目と基準は次のとおり。
試験内容 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
立ち幅跳び | 205㎝~ | 147㎝~ |
反復横跳び | 44回~ | 37回~ |
上体起こし | 21回~ | 13回~ |
基準に達しないものが一つでもある場合は、不合格です。
正しいやり方があるので、それを把握して練習しましょう。
参考:新体力テスト(PDF)
身体測定
身体測定は、皇宮護衛官として必要な身長や体重、色覚などに関する検査です。
項目ごとの基準値は次のとおり。
- 身長:男子160㎝~、女子148㎝~。
- 体重:男子48㎏~、女子41㎏~。
- 色覚に異常がない(職務遂行に支障がない)
- 視力:片目が0.5未満、両眼で0.8未満(裸眼又は矯正)
- 四肢の運動機能に異常がない
一つでも満たさない場合は不合格となります。
このように試験の種類が多いので、傾向を把握して対策することがポイントです。
皇宮護衛官採用試験の配点
皇宮護衛官採用試験では、試験ごとに配点比率が決まっています。
これから対策するときは、配点比率が高い試験から優先して勉強することが大切です。
なお、結論からいうと基礎能力試験(教養試験)を優先して勉強しましょう。
試験 | 配点比率 |
---|---|
基礎能力試験(教養) | 60% |
課題論文試験 | 40% |
人物試験 | 合否判定のみ |
体力検査 | 合否判定のみ |
このような割合になっているので、なるべく配点の高い基礎能力試験から対策するといいでしょう。
なお、偏った対策をしていると足切りになる可能性があるため注意が必要です。
皇宮護衛官採用試験の足切り(基準点)とは
試験ごとに基準点が設定されており、その基準点を下回ると即不合格になることを足切りといいます。
皇宮護衛官採用試験の足切りライン(基準点)は次のとおり。
試験 | 基準点 |
---|---|
基礎能力試験(教養) | 12/40問 |
課題論文試験 | 1題3/6点 |
人物試験 | A~EのうちC以上 |
しっかり対策すれば足切りになることはないはずです。
では、いったい何点くらいとれば合格できるのかボーダーラインを見てみましょう。
皇宮護衛官採用試験のボーダーライン
皇宮護衛官採用試験のボーダーラインは高いです。
年度によって多少の変動はありますが6割はほしいところ。
筆記試験の得点は、試験ごとの素点(実際に取った点数)をもとに平均点や標準偏差を用いて算出する標準点として決定します。
詳しい計算方法や過去のボーダーラインを下記記事で解説しています。
「教養は何割、論文は何割で合格なの?」という方向けに点数表も作成しているので確認してください。
関連記事:【皇宮護衛官採用】ボーダーラインは何割?合格点を取る対策法を解説!
傾向を把握して勉強をはじめよう!
ここまで解説してきたように、皇宮護衛官の採用試験は幅広いです。
すぐにでも対策(勉強)をはじめることが合格をより確実にするために必須といえるでしょう。
とはいえ、闇雲に勉強しても無駄な努力、時間を費やすことになるので注意が必要です。
試験ごとの出題傾向を、しっかり理解して効率よく勉強するようにしてくださいね。
今回は以上です。